​🌸『カレンブーケドールは、あの日見た雲に恋をする』🌸 第14話

​🌸『カレンブーケドールは、あの日見た雲に恋をする』🌸

​🌸 第14話:『クリスマスの奇跡?学園のイルミネーション ―聖夜の空回り、自爆する黄金の花束―』 🌸

​「……ふふ、ふふふふふ! 泣いてる暇なんて1秒もないわスタッフさん! 秋の敗北は、この聖なる夜に王子様(コントレイル様)と過ごすための、壮大な『溜め』だったのよ!!🌹✨」

​秋華賞での号泣から2ヶ月。

季節は巡り、トレセン学園は100万個のLEDと、浮き足立つウマ娘たちの熱気で、まるで宝石箱をひっくり返したような輝きに包まれていました。☀️❄️

私は、クロノちゃんに言われた「愛が重すぎる」という言葉を、私なりの「お嬢様理論」で超解釈し、この決戦の夜に備えていたのです。

​「(愛が重い……それはつまり、私の想いには確かな『質量』があるということ。ならば、その質量を銀河の果てまで高めて、王子様を私の強力な重力圏内に永遠に縛り付けてしまえばいいのよ!!)」

(――BGMが、鈴の音が鳴り響く華やかなクリスマスソングから、どこか不穏でコミカルな、運命のカウントダウンへ!) 🔔🎺🏃‍♀️

​私の立てた「聖夜の逆転勝訴計画」は完璧を極めていました。

学園中庭、星空を突くほど巨大な特注クリスマスツリーの下。

そこで「偶然」を装って王子様と邂逅し、自家製の「黄金の花束(特大・金粉入り)」と、この日のために血眼で編み上げた「愛の結晶」を贈る……!

​「見てなさい! このマフラー、王子様の首元を冷気から守るため、通常の毛糸の3倍の密度、そして5倍の長さで編み上げたわ。重さは……ええ、約3kgほどあるけれど、私の愛の重圧に比べれば、綿あめみたいなものよ!!✨🧣」

​「カレン……それ、もはやマフラーっていうより『鎖』だぞ。王子様が首の骨を折る前に、重すぎて歩けなくなるからやめておけって……🐴💦」

​スタッフさんの涙ながらの制止を、私は華麗なステップでかわしました。

完璧にセットされた、冬の風にたてがみをなびかせる私。一歩踏み出すごとに、肩にかけた3kgのマフラーが「ずしり……」と私の体幹を揺さぶります。

​ところが。目標の中庭へ辿り着いた私の前に、予想だにしない「冷徹な現実」が立ちはだかっていました。

キラキラと輝くイルミネーションの影、誰もいないはずのベンチの横で、あの芦毛のクールビューティー・クロノジェネシスが、一人黙々と……**「夜間高負荷スクワット」**をこなしていたのです。❄️🏋️‍♀️

​「……なっ!? クロノさん! 貴女、このロマンチックの極致みたいな夜に何をしてるのよ! 聖夜の風情が、貴女の流す鉄の臭いの汗で台無しじゃないの!!💢🦁」

​クロノさんは、両肩に担いでいた特大のバーベルを「ドォォン!」と地面に下ろすと、氷の粒のような汗を拭い、私をゴミを見るような目で見つめました。

​「……カレン。貴女こそ、その不自然に盛り上がった肩周りは何? ……まさか、またその『過積載な感情』を誰かに押し付けに行くつもり? 迷惑よ。」

​「不自然!? これは乙女の純情を編み込んだ防寒具よ! 貴女みたいに鉄の塊を上げ下げして筋肉を喜ばせている『筋肉ダルマ』には分からないでしょうけど、今夜、私は奇跡を起こすんだから!!✨🎁」

​「……奇跡ね。足元に気をつけなさい。貴女、その物理的な重みで、さっきから重心が左に3センチぶれているわよ。……レースなら、最初のカーブで自滅するわね。」

​「失礼ね! 私の体幹は北海道のクマとのデスレースで鍛え抜かれて……あだっ!!」

(――スローモーション。ツリーの根元の配線コードに蹄を引っ掛け、3kgのマフラーの遠心力に振り回されながら、派手に宙を舞うカレンブーケドール!) 🤸‍♀️💥

​「きゃああああああああああああああ!!!」

​ドッゴォォォォォォォン!!!!!

​勢い余って巨大ツリーの根元に激突した私。

衝撃でツリーから降り注ぐ大量のベル、電球、そして巨大な星の飾り。

さらに、自分が持っていた3kgのマフラーが全身に絡みつき、私はまるで**「自ら発光しながらがんじがらめになった、巨大なクリスマス用焼豚」**のような姿で地面に転がりました。

​「……っ、……痛たた……。王子様……見てないわよね? 今の、見てないわよね……?」

​涙目で顔を上げると、そこには……呆れ果てて言葉を失ったクロノちゃん、騒ぎを聞きつけて集まってきたウマ娘たち。

さらに、遠くの校舎の窓から、一瞬、あの王子の瞳に似た、美しい飛行機雲のような光が、驚いたようにこちらを見た気がしました。

​「……あ、あ、あああああああ!! 王子様ぁぁぁ!! 今の無様な発光体は、私じゃないのぉぉぉ! 私は、もっと可憐な、黄金の花束なのよぉぉぉぉ!!😭😭💦」

​「……言ったそばから。……本当に、貴女の『自爆レコード』だけは、誰にも破れそうにないわね。」

​クロノさんの、氷の張った池のような冷ややかな声が、聖夜の空に空しく響き渡りました。

​聖夜のトレセン学園。

イルミネーションに絡まり、自らの愛の重み(3kgのマフラー)で身動きが取れなくなったカレンブーケドール。

彼女の「クリスマスの奇跡」は、ただの「聖夜の自爆」として、学園の公式記録(とクロノの記憶)に深く刻まれることになったのでした。🌸🎄😭💥

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