🌩 第29話 マスクオフ母さんの言葉
久しぶりに、
母と娘が並んで立っていた。
秋の光が差し込む厩舎の前で、
マスクオフ母さんは落ち着いた目で
ちびディーヴァを見つめている。
ディーヴァはツンとした顔のまま。
でも、
その横顔はどこか嬉しそうで、
耳がほんのり赤い。
スタッフはそっと距離を取る。
「親子の時間だね」
「邪魔しちゃいけないやつだ……」
🌸 母のぬくもり
マスクオフ母さんが一歩近づき、
娘の首元にそっと鼻を寄せる。
ディーヴァは驚いたように瞬きをしたあと、
ゆっくりとその仕草を受け入れた。
ツンでもなく、
デレでもなく、
ただ素直に。
その姿に、
スタッフ全員の胸がじんわり熱くなる。
「……あのディーヴァが、素直に……」
「母の前では、やっぱり子どもなんだな……」
🌬 静かな“誇り”
マスクオフ母さんは、
娘の顔をじっと見つめた。
その瞳には、
言葉ではない“誇り”が宿っていた。
「よく頑張ったね」
「あなたは私の自慢の娘だよ」
そんな想いが、
静かに、深く、伝わってくる。
ディーヴァの目が少し潤む。
ツン顔のまま、
涙をこらえるように鼻を鳴らす。
🌧 思い出と未来
スタッフがぽつりとつぶやく。
「親子って……いいな」
「こんな瞬間、見られるなんて……」
マスクオフ母さんは、
娘の肩にそっと鼻を触れさせる。
それはまるで
“これからを託す” ような仕草。
嵐の歌姫として走り抜けた娘へ、
母からの最後のエール。
ディーヴァは小さく鼻を鳴らした。
ふん……
でもその音は、
いつものツンではなく、
母への返事のように優しかった。
🌩 嵐の歌姫に届いた、母の言葉
嵐のように駆け抜けた日々。
雷のように輝いた瞬間。
風のように優しかったデレ。
そのすべてを見守ってきた母が、
最後に伝えたのは──
「あなたは、強くて、美しくて、誇らしい」
言葉にはならないけれど、
確かに届いた。
ディーヴァの胸の奥で、
静かに、深く、響いていた。


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