🌩 第17話 ローズS──歌姫、覚醒の雷鳴
ローズステークス当日。
パドックに現れたちびディーヴァは、
いつもと明らかに違っていた。
空気が張りつめるほどの 気迫。
ツン顔は鋭く、
前髪は完璧すぎてスタッフがざわつく。
「今日の前髪、仕上がりすぎじゃない?」
「いや、前髪で強さが分かるのやめて」
「でも分かる……今日は来る」
他馬が近づいても微動だにしない。
完全に“嵐の中心”の静けさ。
🌩 ゲート──静かすぎる覚悟
ゲート入りは驚くほどスムーズだった。
「え、あのディーヴァが?」
「やる気が違う……」
ゲートの中で、
ディーヴァの目が細く鋭く光る。
その目は、
「今日は勝ちに行く」
と静かに語っていた。
⚡ スタート──雷みたいな反応
スタートの反応が鋭すぎた。
「速っ!?」
「7番人気の動きじゃない!」
「いや、これもう嵐の歌姫じゃなくて雷姫……」
道中は無駄な動きが一切ない。
岩田望来の手綱に完璧に応え、
外目でじっと脚を溜める。
風が止まったような静けさ。
嵐の前の、あの独特の空気。
🌪 直線──覚醒の雷鳴
そして直線。
岩田望来が軽く促した瞬間──
ディーヴァの目つきが変わった。
「ここだ」
次の瞬間、
嵐の末脚が 雷みたいに炸裂した。
33.2。
レコードペースの中で、
さらに加速する異常な伸び。
観客がどよめく。
「速い……!」
「なんだあの脚……!」
「7番人気って誰が決めたの!?」
1番人気ブレイディヴェーグを
1馬身半 置き去りにして、
ディーヴァは風を切って駆け抜けた。
1:43.0──レコード。
嵐の歌姫が、
ついに雷鳴を響かせた。
🌸 勝利──ツンとデレの余韻
ゴール後、
ディーヴァはツンとした顔に戻る。
「別にレコード狙ってないし」
と言いたげな目。
スタッフが駆け寄って褒めると──
ふいっ とそっぽを向く。
でも耳が赤い。
完全に照れている。
スタッフ全員、確信した。
「覚醒した……」
「今日のディーヴァは本物の嵐だった」
「いや、雷だった……」
🌩 歌姫、覚醒
ローズSの空は晴れていたけれど、
阪神競馬場には確かに雷鳴が響いた。
嵐の歌姫・マスクトディーヴァ。
その覚醒は、ここから始まる。


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