🌸 風が吹けばディーヴァが走る──マスクトディーヴァ喜劇譚 第15話

🌸 風が吹けばディーヴァが走る──マスクトディーヴァ喜劇譚

🌩 第15話 1勝クラス──ツンデレの末脚が火を噴く

レース当日の朝。
ちびディーヴァは、いつも以上に気合いが入っていた。

耳はツンッと立ち、
前髪は完璧に整い、
歩くたびに「今日はやる」と言っているようだった。

スタッフは顔を見合わせる。

「今日のディーヴァ、強い」
「なんか……風まとってない?」
「いや、前髪の話じゃなくて」


🌬 パドック──キレッキレのツン顔

阪神競馬場のパドック。
他馬が落ち着かない中、
ディーヴァだけは キレッキレのツン顔。

視線は鋭く、
「あなたたち、今日は負けないから」
と言わんばかり。

他馬が近づいても動じない。
むしろツン度が上がる。

スタッフは確信した。

「今日は……来る」


🌩 ゲート入り──まさかのスムーズ

普段はちょっとだけツンツンするゲートも、
今日はすんなり入った。

「え、スムーズ!?」
「やる気満々じゃん……」

ゲートの中で、
ディーヴァの目が静かに光る。


🌪 スタート──冷静な構え

スタートは完璧。
飛び出しすぎず、
慌てず、
冷静に外目のポジションを確保。

岩田望来の手綱にしっかり応え、
「別に焦ってないし」
という顔で道中を進む。

……が。


⚡ 道中──ちょっとイラッで加速

前の馬が少し寄ってきた瞬間、
ディーヴァの耳がピクッ。

イラッ。

次の瞬間──
加速。

「ちょっ、今の加速なに!?」
「怒りのスイッチ入った!?」
「ツンデレの“ツン”で加速するのやめて!?」

その加速は想定外すぎて、
スタッフも実況もざわつく。


🌪 直線──嵐の末脚、再び

そして直線。

岩田望来が軽く促した瞬間、
ディーヴァの脚が 風を切った。

11.6 → 11.7 → 11.8
稍重とは思えない鋭さ。

2番人気のポルカリズムを
2馬身半 置き去りにして、
嵐の末脚が炸裂する。

観客がどよめく。

「速っ……!」
「新馬戦の嵐、また来た……!」


🌸 勝利──ツンからのデレ

ゴール後、
ディーヴァはツンとした顔に戻る。

「別に勝ちたかったわけじゃないし」
と言いたげな目。

スタッフが駆け寄って褒めると──

ふいっ とそっぽを向く。

でも、
耳が赤い。

完全に照れている。

スタッフ全員、確信した。

「ツンデレ完成した……」
「これが“嵐の歌姫”の最終形態……」
「いや、まだ進化する気がする……!」


🌩 ツンデレの末脚は、まだ序章

1勝クラスを圧勝したその日、
ディーヴァは確かに言っていた。

「私はまだ、こんなもんじゃない」

ツンとした視線の奥で、
嵐のような才能が静かに燃えていた。

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