​🌸『カレンブーケドールは、あの日見た雲に恋をする』🌸 第3話

​🌸『カレンブーケドールは、あの日見た雲に恋をする』🌸

​🌸 第3話:『スパルタ母様の猛特訓! 恋に恋する暇はない!?』 🌸

​「……はぁ、コントレイル様……。あの方のあの青鹿毛の輝き、思い出すだけで私の心臓がオーバーヒートしちゃう……。次にお会いする時は、もっとこう、バラの花を背負って登場すべきかしら?🌹✨」

​昨日の「運命の出会い」から一夜明け、私は放牧地の隅っこで、すっかり自分だけの世界(乙女モード)に浸っていました。

しかし、その甘いピンク色の空気を、背後からの鋭い「圧」が切り裂きます。⚡️

​「カレン。何をぼーっとしているの。🐴」

​「ひゃいっ!? ……お、お母様。おはようございます……。えへへ、ちょっとこれからの『花嫁修業』のプランを練っていたところでして……💦」

​母・ソラリアは、私の戯言(たわごと)を一蹴するように、冷たく鼻を鳴らしました。

​「花嫁修業? 笑わせないで。今の貴女は、ただの『足の長いだけの置物』よ。あの子――コントレイルと同じ地平に立ちたいのなら、そのひ弱な精神と体を叩き直すのが先決ね。💪💥」

​「えっ? ……えええっ!? ちょっと、今からどこへ行くのー!?😭」

​お母様に追い立てられるようにして連れてこられたのは、牧場の奥にある、急勾配の山道。

しかも、その先には岩が剥き出しになった、崖のような急斜面がそびえ立っていました。🏔️🚧

​「今日からここで、基礎体力の徹底強化を行うわ。まずはこの山道を頂上まで30往復。その後、あの崖を全力で駆け登りなさい。🐴💢」

​「さ、30往復……!? しかも崖登り!? お母様、私、一応これでも名門・社台ファームの令嬢なんですけど!? 爪が割れたらどうするのよぉー!!😭💦」

​「恋をするなら、まず走りなさい! 走れないウマ娘に、王子を追う資格なんてないわ!! 早く行きなさい!! 💨」

​母の凄まじい気迫に押され、私は泣く泣く山道を走り始めました。

スタッフさんも遠くから「お、カレン、英才教育だな!頑張れよ!」なんて呑気に手を振っています。

​「スタッフさーん! 助けてー! 私の可愛い顔が汗でドロドロになっちゃうー!!😭(心の叫び)」

​10往復、20往復……。

足は鉛のように重くなり、呼吸は激しく乱れます。

お嬢様ぶっていた余裕なんて、最初の5分で霧散しました。

​「……はぁ、はぁ……。もう、無理……。お腹空いたし……帰ってお昼寝したい……。泥が跳ねて、自慢の栗毛が台無しだわ……。💔」

​地面に膝をつきそうになったその時、崖の向こう側に、一筋の白い雲がスッと伸びるのが見えました。✈️✨

​「……あっ、飛行機雲……。……コントレイル様……。☁️💎」

​その瞬間、私の脳内に、王子様のあの涼しげな顔がフラッシュバックしました。

「三冠を狙える神童」と呼ばれるあの方。

もし私がここで諦めたら、私は一生、あの方の背中を遠くから見つめるだけの「その他大勢」で終わってしまう。

​「……そんなの、絶対に嫌!! 2着どころか、視界に入ることもできないなんて、死んでも嫌よ!! 💥」

「うおおおおおー!! 王子様、見ててー!! 私、今から山を飲み込んでみせるわー!! 🔥🌻」

​火がついた私は、泥まみれのまま、猛然と崖に向かって駆け出しました。

岩を蹴り、土を跳ね上げ、美少女のプライドを「根性」に変換して、がむしゃらに斜面を登り詰め……。

​「……はぁ、はぁ、はぁ……。た、頂上……!! ⛰️✨」

​頂上で見た景色は、あの日見た青空よりも、ずっと近くに感じられました。

母・ソラリアは、麓からそれを見上げ、満足げに小さく頷きました。

​「……フン、少しはマシな顔になったわね。恋に恋する時間は終わりよ、カレン。これからは、勝利に恋しなさい。🐴」

​「……お母様……。……私、絶対に強くなるわ。そして、あの王子様を、この足で追い詰めてみせるんだから!! 🏁💖✨」

​泥だらけの「黄金の花束」は、夕陽を浴びて、生まれた時よりもずっと力強く、眩しく輝き始めたのでした。🌸🦁

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