🌸 第24話:『宝塚記念、クロノジェネシスとの友情 ―戦場のパドック、仮面を脱いだ本音トーク―』 🌸
2021年6月27日。阪神競馬場、第11レース。
上半期の総決算、宝塚記念。
天皇賞(春)で3200mという果てしない距離を「孤独なポエム」で埋め尽くし、恍惚の境地で昇天した私は、再びこの仁川の地を踏みしめていました。☀️🏁
「……ふふ、スタッフさん。今日の阪神の風は、なんだか少し、ソプラノの旋律を奏でているわ。……まるで、あの『氷の女王』が私の到着を祝う、冷ややかなファンファーレのようにね。🌹✨」
480kg。私の肉体は、もはやアスリートの極致を超え、一つの完成された「愛の要塞(フォートレス)」へと至っていました。
けれど、パドックに一歩足を踏み入れた瞬間、私の背筋を鋭い氷の礫が走り抜けます。
視線の先には、ファン投票1位。圧倒的な威風を纏い、もはや「勝つこと」を当然の義務、あるいは呼吸と同じ日常として受け入れている、クロノジェネシス。
「(……クロノさん。貴女はいつもそう。有馬でも、そして去年の宝塚でも。貴女の歩む道には、私の憧れと、そして屈辱の泥が、宝石のように散らばっているわ……!)」
(――BGMが、激しい戦闘開始のドラムから、二人の因縁を象徴するピアノとバイオリンの、美しくも刺々しい二重奏へ!) 🎻🎹🔥
私はあえて、彼女の真横を歩くタイミングを合わせ、その耳元に、周囲の喧騒を切り裂くような低く、情熱的な声で囁きました。
「……ねえ、クロノさん。今日の私は、ジャパンカップの時よりも『重い』わよ。精神的にも、物理的にもね。……貴女のその華奢で美しい芦毛の馬体が、私の480kgの愛の重圧(プレッシャー)に耐えきれるかしら?」
クロノちゃんは、歩調を一切乱さず、冷徹な眼光を一点、勝利のゴールへと向けたまま、静かに口を開きました。
「……カレン。貴女、また一段と僧帽筋が異常発達したわね。ドレスどころか、もはや特注の馬着さえ悲鳴を上げているわ。……でも、良いわ。その『重すぎる想い』、阪神の直線で全て、私という標的にぶつけてきなさい。……受け止めてあげるわ。」
ガシャンッ!!💨
運命のゲートが開き、上半期の覇権を懸けた死闘が始まりました。
ユニコーンライオン様が快走し、レイパパレ様が追う。私はその直後、虎視眈々と「愛の追撃ポジション」を死守しました。
しかし、魔の3コーナー。私の背後から「絶望」という名の、あまりにも巨大な影が迫ってくる気配がしました。
「(……来たわね、クロノさん!! さあ、地獄のワルツの始まりよ!! 私の筋肉と貴女の氷、どちらが先に砕けるか試しましょう!!💢🦁🔥)」
4コーナー。クロノちゃんが、外から次元の違う加速を開始します。
私は内から食い下がり、480kgの肉体を爆発させ、蹄から火花を散らすように彼女の影を追いかけました。
けれど、結果は……無情な「物理の壁」でした。
- 1着:クロノジェネシス(圧巻の連覇・女王の完全証明)
- 2着:ユニコーンライオン(2 1/2馬身差)
- 3着:レイパパレ(クビ差)
- 4着:カレンブーケドール(2馬身差・またしても『最強の4着』)
「…………はぁ、……はぁ、……はぁ…………。……また、……また4着なのね。」
掲示板に灯った「4」。
ジャパンカップ、そして天皇賞(春)の3着に続く、あと一歩届かない数字。
レース後の検量室裏。全身泥だらけ、額から湯気を立ち昇らせた私は、スタッフさんが引く手綱を強引に振り切り、優勝レイを首にかけたクロノちゃんのもとへ歩み寄りました。
「……クロノさん。……また、貴女の背中しか見えなかったわ。……悔しくて、今なら阪神の坂をもう一度駆け上がれそうだわ。」
私は、悔しさで震える声を押し殺し、彼女を真っ直ぐに見つめました。
すると、クロノちゃんは初めて、その氷の仮面を脱ぎ捨て、少しだけ、本当に少しだけ……。
慈愛に満ちた、そしてライバルを称える誇らしげな微笑みを浮かべたのです。❄️🐎
「……カレン。貴女がいたから、私はこのスピードで走れたのよ。貴女の異常な鼻息が、私の臀部を焦がすほど熱く、執拗だったから。……貴女は私の、最高に『重くて、しつこくて、愛らしい』世界で一頭のライバルよ。」
「…………っ!! ……な、何よそれ! 急にデレるなんて反則よぉぉぉ!! そんなこと言われたら、私……また貴女と王子様(コントレイル様)の関係を妄想して、新しいポエムを100連発で書かなきゃいけなくなるじゃないのぉぉぉ!!😭😭💔」
「……ふふ。楽しみにしてるわ、新作。……じゃあ、私は世界(凱旋門賞)へ行ってくるわね。……次は、エッフェル塔の前で会いましょう。」
去っていく、芦毛の女王の背中。
私はその背中に向かって、泥だらけの拳を握りしめ、480kgの肺活量を全開にして叫びました。
「待ってなさいクロノさん! 貴女が世界を獲りに行くなら、私は……私はこの日本で、王子様への愛をさらにビルドアップして、貴女が帰ってくる頃には『物理的に重力すら超越した黄金の要塞』になって迎えてやるんだからぁぁぁ!!🏁💖🦁」
4着。
けれど、そこには「敗北」ではなく、共に死線を越えた者だけが通じ合える「本物の友情」という名の、新しい愛の形が芽生えていました。
カレンブーケドール。
彼女の物語は、悲劇のヒロインから、最強の「愛の伝道師」へと、さらなる進化を遂げようとしていたのでした。🌸🤝❄️✨


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