🌩 第23話 モレイラさん、あなたは嵐を操る人ですか?
阪神牝馬Sの勝利から数日。
牧場には、ひとつの噂が流れていた。
「次もモレイラさんが乗るらしい」
その言葉に、
スタッフは興味津々でそわそわし始める。
「世界のモレイラだよ?」
「嵐の歌姫と相性どうなんだろう」
「いや、絶対合うでしょ……風と嵐だよ?」
ディーヴァはというと──
ツンとした顔で、
“様子見モード” に入っていた。
🌬 優しい声に、耳がピクッ
モレイラさんが厩舎に現れた。
柔らかい笑顔。
落ち着いた声。
馬を見る目が、あたたかい。
「ディーヴァ、よろしくね」
その瞬間──
ディーヴァの耳が ピクッ。
スタッフがざわつく。
「今、反応したよね?」
「いや、あの子が初対面で耳動かすの珍しいよ?」
ディーヴァはツン顔のまま、
そっぽを向く。
……でも耳は赤い。
🌩 乗り出した瞬間、空気が変わる
モレイラさんが跨った瞬間、
厩舎の空気が変わった。
静かで、
澄んでいて、
でもどこか風が流れ始めるような感覚。
ディーヴァの体が、
すっと軽くなる。
歩き出しただけで分かる。
動きが驚くほどスムーズ。
スタッフがざわつく。
「え、なにこれ……」
「相性良すぎない?」
「嵐が……落ち着いてる……?」
🌪 完璧すぎるシンクロ
軽いキャンターに移ると、
その相性はさらに明らかになった。
モレイラさんの指示に、
ディーヴァが 素直に動く。
ツンデレの“ツン”が消えて、
まるで風に乗るように体が流れる。
「こんな素直なディーヴァ、初めて見た……」
「いや、これ……操ってる?」
「嵐を……操ってる……?」
他の馬たちも距離を置くほどの気迫。
ディーヴァの集中力が異常に高い。
モレイラさんは微笑む。
「いい子だね。
君は、もっと強くなれるよ。」
その言葉に、
ディーヴァの耳がまた ピクッ。
そして──
ほんの少しだけ、
デレた。
スタッフ全員が固まる。
「今……デレたよね?」
「モレイラさん、嵐を手懐けた……?」
「いや、これもう最強コンビじゃん……」
🌩 最強コンビ誕生
その日の調教は、
すべてが完璧だった。
動き、呼吸、リズム、
そして気迫。
嵐の歌姫と、
風を操る魔術師。
その瞬間、
牧場の空気が震えた。
最強コンビが誕生した。


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