🌸💫 『いつか届くと信じて走った──ナムラクレア』 💫🌸 第2話

🌸 『いつか届くと信じて走った──ナムラクレア』 🌸

🌱💗 第2話 風を追いかけた小さな影(幼少期)


🍃🐾 ① 置いていかれる背中を追いかけて
放牧地に出ると、
同じ年の子たちは、弾けるように駆け出していった。

ナムラクレアは、いつも少し遅れる。
体は小さく、脚も細い。
最初の一歩で差がつく。

その差が、幼い彼女には
“世界の広さ”のように思えた。

それでも──
胸の奥で、小さな声が震えていた。

「まって…わたしも、いく…」

置いていかれる背中を、
小さな蹄で必死に追いかける。

追いつけなくても、
追いかけることだけはやめなかった。

その姿は、
まだ風になれない小さな影が、
必死に光を追うようだった。


🌼✨ ② 転んでも立つ理由がある
走ればすぐ転んだ。
乾いた土が舞い、
小さな体が地面に叩きつけられる。

痛みよりも、
胸の奥の“悔しさ”が先に熱くなる。

倒れたまま、
ほんの一瞬だけ目を閉じる。

でも──
次の瞬間には、
彼女はもう立ち上がっていた。

「まだ…おわってない…」

その小さな声は、
誰にも聞こえないほど弱い。
けれど、確かに彼女を前へ押していた。


🍃💫 ③ 風と遊ぶ小さな影
ある日、
放牧地に吹いた風が、
彼女の前髪をふわりと揺らした。

その瞬間、
ナムラクレアは風を追った。

理由なんていらない。
ただ、風が前にいる気がした。

風が逃げる。
彼女が追う。

その繰り返しが、
いつの間にか“遊び”になっていた。

「つかまえたい…」

幼い彼女の瞳は、
風の向こうに“何か”を見ていた。

まだ名前のない、
未来の影のようなものを。


🔥🌱 ④ 負けず嫌いの芽が光る
他の子に追いつけない日が続いても、
ナムラクレアは走るのをやめなかった。

小さな体に宿る強さは、
派手ではない。
でも、折れない。

走り終えたあと、
息を切らしながらも、
彼女は必ず前を見ていた。

「つぎは…もっと…」

その小さな決意は、
まだ誰にも気づかれない。
けれど、確かに光っていた。


🐎💗 ⑤ 小さな体に宿るまっすぐさ
走る姿には無駄がなかった。
小さな体が、
まるで風の形に合わせて動いているようだった。

スピードはまだ遅い。
でも、フォームは綺麗だった。

風と一緒に笑っているような、
そんな走り方だった。

「はしるの、すき…」

そのまっすぐさは、
誰かに教えられたものではない。
彼女自身が生まれながらに持っていた“芯”だった。


🌸🏃‍♀️ ⑥ 走ることが好き、それだけで強くなれる
才能は、
派手な瞬間に生まれるわけじゃない。

毎日、
風を追いかけて、
転んで、
立ち上がって、
また走る。

その積み重ねの中で、
ナムラクレアの中に
“未来のスプリンターの影”が
静かに形を持ち始めていた。

「もっと…はしりたい」

その小さな願いが、
彼女を少しずつ強くしていった。

まだ誰も気づかないほどの、
小さな変化だったけれど。

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