​✨💎『純白の仮面(ペルソナ)は剥がれない』💎✨​―― Sodashi(JPN) 全記録 ―― 第14話

​✨💎『純白の仮面(ペルソナ)は剥がれない』💎✨​

​🐎【第14話】栗東の残響、落ちない泥と「真実の私」 🐎

​🌙―― 2021.12某日 栗東・深夜の控室 ――🌙

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​中京の砂塵に呑み込まれたあの日から、私の世界は色を失ったままでした。✨

​今浪さんは、あの日から何度も、何度も私の髪や体を洗ってくれました。

​温かいシャワーの飛沫。きめ細やかな泡。

​「ソダシ、もう綺麗やで。ほら、真っ白に戻ったやんか。な?」

​彼はそう言って、無理に作ったような明るい声で笑いますが……。

​(……いいえ、今浪さん。貴方には見えていないだけ。……私のこの、肌の奥の、魂の襞(ひだ)にこびりついた『泥』の臭いが。……あの日、砂の怪物たちに無慈悲に踏み越えられた瞬間の、あの惨めな色が。……洗っても、洗っても、私の心はまだ、あの茶色の悪夢に染まったままですのよ) 🧼🫧

​🪞 【深淵:鏡に映らない「黒い影」】

​深夜。トレセンの仲間たちが寝静まり、静寂だけが響く頃。

​私は月明かりの下で、自分の姿を鏡越しに食い入るように見つめます。

​表面上は、確かに白銀の輝きを取り戻したはずの、滑らかな髪。

​でも、ふとした拍子に、爪の隙間や、指先の重なりの奥に、あの日の重い砂粒が残っているのを見つけてしまうのです。

​(……これが、本当の私? 私は『美しくて強い、選ばれし女王』ではなくて……。ただ、泥にまみれて、必死に足掻いても届かなかった、弱くて無力な一人のウマ娘に過ぎなかったのかしら?) 🌑

​かつての私は、自分の白さを「当然の権利」だと思っていました。

​汚れるはずがない、負けるはずがない。私は特別。私はアイドル。私は光。

​でも、中京の泥は、その傲慢なメッキを容赦なく剥ぎ取り、私の足元にある「現実」を突きつけたのです。

​🍏 傷ついた自尊心:今浪さんの「アップルパイ」と沈黙

​カツン、と夜回りの今浪さんの足音が響きます。

​彼は私の様子を察して、何も言わずに、小さく丁寧に切り分けられたアップルパイを差し出してくれました。

​いつもなら「もっと大きく、瑞々しいのを持ってきなさいな!」と毒づくはずの私ですが、今の私にはその甘さすら、砂の味が混じっているようで喉を通りません。

​(……今浪さん。貴方は、こんな惨めな姿を晒した私でも、まだ『女王』だと思ってくださるの? 泥を被り、12着という屈辱的な数字をその身に刻んだ私を……。……ねえ、答えて。私は……私はまだ、貴方の前で輝けていまして?) 🍎💧

​今浪さんは私の頬を、ゆっくりと、祈るように愛おしそうに包み込みました。

​「ソダシ。汚れんのが怖いんやったら、また洗えばええ。お前が何色になっても、俺が何回でも、一生、白くしたるから。な? 安心せえ」

​(………………。ふん。……相変わらず、暑暑しくて、お節介な方。……でも、少しだけ、その言葉を信じて差し上げてもよろしいですわ。……洗えば、落ちる。……ええ、そうですわね。汚れは、落とせばいい。……いいえ、上書きして差し上げればいいのですわ) 🧼🧴✨

​🏁 覚醒への序曲:泥を「強さ」に変える決意

​私は、暗闇の中で再び、鋭く顔を上げました。

​「純白のアイドル」という、他人が作り上げた虚像は、あの日の中京の砂に埋もれて死にました。

​今、ここに立っているのは、泥の味を知り、屈辱の冷たさを骨身に刻んだ、一人の「戦士」としての私。

​(……次は、泥を恐れるのではなく、泥を味方につけて差し上げますわ。……汚れることを厭わない白。泥を撥ね退けるのではなく、泥の中でも凛として咲く花。それこそが、真に気高く、真に美しい輝きだということを、下界の皆様に教えて差し上げますわよ) 🐎🏁🖤

​女王は、自らの姿に残る最後の一粒の砂を、今度は誇り高く見つめました。

​それは、彼女が「可愛いだけのアイドル」を脱ぎ捨て、真の「怪物」へと覚醒するための、最後の脱皮の夜でした。

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