📖 第20話|砂漠の国への招待状🐪🌍🌹🖤
春の柔らかな陽光が注ぐ美浦校・藤波宿舎の1階『貴賓コンフォートコーナー』には、どこか落ち着かない緊張感と華やかな熱気が同時に立ち込めていました……🌸✨🌱
次なる主戦場が、遥か海を越えた中東の広大な競技場『国際最高峰グランプリ』へと正式に決定したこの日。渡航を間近に控えた宿舎のラウンジには、名門ノーザンクラブの関係者や各種手続きに追われるスタッフたちが行き交い、かつてない活気に包まれていたのです!
その喧騒の中心で、クラブオーナーの金条豊(きんじょう ゆたか)は、手にした世界地図とフライト日程表を感涙の眼差しで見つめ、高級シルクのハンカチを幾度も目頭にあててボロボロと大粒の涙を流していました!😭👏✨
「ううっ……見ているか宿舎長……っ! 😭✨ 黄金の国・日本を飛び出し、世界の頂点へと果敢に挑む彼のあの気高き横顔……! 『異国の地すらも、我が歩む王道の一節に過ぎない』という圧倒的な覚悟が、全身から眩い後光となって射しているのだ……っ! なんという果てしない志なのだ……っ! (あふれる情熱と感動を抑えきれず号泣する金条オーナー)」😭👏✨
一方、重厚なローテーブルの横では、昆虫の生態や構造に異常なほど詳しいスタッフ・ファブルが、真顔で腕を組みながら藤波宿舎長へ語りかけていました!
「宿舎長。中東の乾燥した気候と砂漠の環境下におけるレオンの身体管理ですが、サソリの外骨格による水分保持機能、および砂嵐の中で体温を守るサソリの防衛姿勢を模倣すべきです。過酷な外気から体幹を完全に保護し、相手の気配を察知する触覚を研ぎ澄ませば、異国の地でも完璧な走力が保たれます」
「その通りだファブル! 😭👏✨ 見よあの澄み渡った佇まい! レオン君のあの凛とした姿は、『旅先での体調管理を徹底し、宿舎の誇りを世界に示せ』という我が藤波宿舎の国際マナー指導を、最高の美学で実証してくれている証に他ならない……っ! 涙で地図の文字が滲んで見えん……っ! 😭✨」
「待ってください宿舎長! 旅先のマナーではなくサソリの防衛力学の解説です! 国際ルールと節足動物の生態を一緒にしないでいただきたい! 🦎🔥」
「言わずとも分かっている! つまり『明日からの全寮生夕食メニューに、乾燥に負けない超高保湿・特製プレミアムアロエ&ナッツアソートを追加せよ』という深遠なメッセージだな……っ!? 今すぐ厨房へ指示を出してまいる! ✊🔥✨」
「(……あの、お二人とも? パスポートの顔写真の確認作業がまだ終わっておりませんけれど…… 🌸💦)」
一人でVIP席から熱い視線を送る金条オーナーと、相変わらず明後日の方向へ走っていく宿舎長&昆虫理論を語るファブル。
噛み合わない熱量で盛り上がる大人たちを見送りながら、上品な春物ワンピースの裾をそっと整えた楓は、可憐に冷や汗を拭い、受皿に載せた温かい特製ハーブティーを手に、ソファーで寛ぐレオンの元へ歩み寄りました☕️🌸
「レオン様、お疲れ様でございます。海外遠征のご準備、順調に進んでいらっしゃるようで安心いたしましたわ 🌸✨」
「ありがとう、楓さん。君の淹れてくれた温かいお茶を飲むと、どんな遠くへ行こうとも、ここが僕の帰る場所なのだと心が澄み渡るよ👑✨」
集まったスタッフたちの熱視線を背に受けながら、レオンはどこまでも優雅で完璧な「黄金の王」としての穏やかなロイヤルスマイルを浮かべ、お茶を一口含んでみせるのでした👑✨
ですが——海外遠征に向けた華やかな表舞台の喧騒が静まり返り、陽が西の空へと傾いた刻限。
重厚な防音扉によって外部の視線も歓声も完全に遮断された『貴賓コンフォートコーナー』の奥深くへと場所を移した瞬間、世界の空気は静まり返り、冷たく歪んだ密室の狂気へと一変したのです……🗝️💔🥀
遮光カーテンが重々しく降ろされ、アンティークの調度品が並ぶ暗がりには、濃厚で重い薔薇の香りが立ち込めていました🌹🖤
そこには、北海道のノーザンクラブから特別に取り寄せた金銀の装飾が光る最高級コンディショニングドリンクを手にするお母様(レディラーダ)と、その傍らで一言も発せず静かに佇むレオンの姿がありました。
「レオン様、いよいよ世界最高峰の舞台へお立ちになるのですね。本当にお見事でございますわ 🌸✨」
楓がおしとやかに深々と一礼を捧げると、お母様は特注の銀製スプーンで優雅にドリンクを一口含み、一切の温度を宿さない氷のように冷ややかな瞳をゆっくりと楓へ向けました❄️🖤
「ええ、ありがとう楓さん。……ですが、今回の海外遠征につきまして、少し大切なお話がございますの」
上品で洗練された言葉遣いの裏に潜む、背筋が凍りつくような冷酷な品定めと排斥の圧力。
「っ……お母様……? 🌸💧」
「今回の渡航は、レオンが世界の頂点に立つための極めて繊細で重要な遠征。一切の不純な動揺や、無駄な負担は排除しなくてはなりませんの。……ですから楓さん、過酷な海外へは私だけが同行すれば十分ですわ。あなたのようなお嬢様がついていらしても、レオンの集中の妨げになるだけ……。そうでしょう?」
一切の隙も与えない、気品あふれる笑みの裏に潜むはっきりと「フィアンセとしての排除」を狙う冷酷な刃。
言葉を奪われ、冷や汗を流して絶句する楓🌸💧
するとその時——静かに佇んでいたレオンが、すっと楓とお母様の間に割り込むように立ち塞がりました。
そして、服越しに楓の白く細い手首を逃げ出せない見えない鎖で締めあげるかのような強い力で握りしめ、強引に自らの身体へと引き寄せたのです……!💥💔
「お母様……。そんなことを言わないでください」
皆の前で見せる穏やかな「黄金の王」としての佇まいは完全に消失し、アンバー色の瞳から光を失ったレオンが、お母様へ向けて不気味なほど冷たく、狂おしい執着の籠もった声を低く響かせました。
「楓さんが一緒じゃなきゃ、僕は海なんて渡らない。楓さんが僕のすぐ隣にいて、僕だけを見ていてくれなきゃ……僕は向こうに着く前に壊れてしまうんだ……」
手首を握りしめる強烈な圧迫と、楓を逃がすまいとする不気味な固執。
お母様が画策する「海外遠征からの徹底的な排除」の冷酷な圧。
そして、そのお母様の目の前で、楓を自らの所有物として抱え込み、異様なまでに固執してみせるレオンの狂気。
(お母様からの冷酷な排除宣告……そして、私を連れて行こうと不気味なまでに執着されるレオン様…… 🌸💧)
二つの歪んだ愛と圧力が、密室の暗闇の中で激しく衝突する——。
逃げ場のない重圧に冷や汗と動悸を覚えながらも、楓は手首に残る痛みを振り払うことなく、二人だけの歪んだ愛の行方を静かに手探りで見つめ続けるのでした……✨👑💖


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