🐎【第18話】美しき迷宮、レンズの向こう側の「真実」 🐎
🌿―― 2022.秋 札幌・東京・阪神 ――🌿
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ヴィクトリアマイルでの戴冠。世界は再び私の白銀の輝きに跪きました。✨
けれど、女王に真の休息などありません。
次なる標的は、北の地で行われる真夏の祭典「札幌記念」。
そこから始まる秋の三連戦、私はかつてないほど充実した純白の髪を揺らし、再び戦列へと加わりました。
🧤 【札幌:北の怪走、光速のパンサラッサを追って】
8月21日、札幌レース場。
1番人気。ファンの皆様の期待を背負い、私はジャックドールさん、そして世界の逃げウマ娘パンサラッサさんという「速度の怪物」たちを追いかけました。
洋芝を激しく蹴り上げ、直線。残り200メートルでの壮絶な叩き合い。
結果は5着。敗れはしましたが、先頭のウマ娘とはわずか0.6秒差。
(……ふふ、驚かないで。これは敗北ではなく、秋の主役としての『顔見せ』ですわ。……ただ、一つだけ不満がありますの。今日のカメラマンの皆様! 私のコーナーリングでの優雅な傾き、ちゃんと黄金比で撮れていなくて? なんだか、背景のピントが甘い気がしますのよ) 📸❄️
今浪さんが「ソダシ、よう頑張った。次やな」と汗を拭いてくれますが、私は納得のいかない顔でレンズを睨みつけていました。
💄 【東京:アタマ差の『判定ミス』疑惑】
10月15日、アイルランド府中牝馬S。
56キロの重い斤量を背負いながら、私は直線で堂々と抜け出しました。
「ソダシだ! ソダシが完全に抜け出した!」
数万人の歓声が、府中の空を突き抜けます。勝った、そう確信した瞬間の強襲。
イズジョーノキセキさんに内から掬われ、アタマ差の2着。
(……信じられませんわ。あのアタマ差……。今浪さん、これ絶対に判定用スリットカメラの精度のせいですわよ! 最近の技術は私の輝きが眩しすぎて、正確な着順を記録するのを拒絶したに違いありませんわ。……ええ、それ以外に理由がございませんもの!) 🍎🧴
「ソダシ、それは機材のせいちゃうと思うぞ……」と苦笑いする今浪さんを無視して、私はマイルCSへ向けて「瞳のキャッチライト」の特訓(?)に励みました。
🏁 【阪神:1分32秒8、熱狂の渦中で掴んだ『3着』】
11月20日、阪神レース場。マイルチャンピオンシップ。
セリフォスさん、ダノンザキッドさんといった最強マイル陣が集結。
私は先行集団の絶好位から、坂を越えてもスパートの勢いを失わず、内から必死に粘り込みました。
結果は3着。G1で再び掲示板の最上段を争う力は見せましたが、勝利の女神はまたしても私の鼻先を掠めていきました。
「ソダシ! 3着! 女王の誇り、見事な走りです!!」
スタンドから降り注ぐ、惜しみない拍手。でも、お嬢様の解釈は違います。
(……おーほほほ! 皆様、ご覧になりました? 今日の私の3着。……ええ、もちろん勝てなかったのは残念ですけれど……それ以上に、テレビ局の機材が私のトップスピードについてこれていないのが明白でしたわね。……リプレイで見ると、私の周りだけ空間が歪んで見えましてよ? 次回までに、NASAに頼んで超高性能カメラを用意させるよう、須貝先生に伝えておきなさい!) ⚡️💎
🌙 負けず嫌いのカーテンコール
2022年後半。5着、2着、3着。
「勝てない」と言われながらも、常に一線級で戦い続けるその姿は、多くのファンの心を打ちました。けれど、当の本人は至って前向き(?)です。
「……いいえ、まだですわ。私の美しさが100%完璧にフィルムに収められた時……その時こそ、世界は真の意味で静止するのです。……待っていなさいな、2023年。今度は放送局のシステムを破壊するほどの輝きで、ゴール板を駆け抜けて差し上げますわ!」 🐎🏁🤍
女王は、今浪さんに体を洗われながら、鏡に向かって完璧な「勝ち誇りポーズ」の練習を欠かしませんでした。
その瞳の奥には、変わらぬ野心と、自分自身への絶対的な信頼が、静かに、そして激しく燃え続けていました。


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